芸術って何だろう。美術やデザインと何が違うのか、自分なりの考え

1.芸術の定義

まず結論から。芸術は表現の一種です。…では答えになっていませんね。まあ一口に芸術といっても絵・音楽・造形・文学…等々あるので「表現の一種だ」ということは前提にしておくとして、果たしてどういう表現が芸術的だといえるのでしょうか(たとえばキャラクターを考えるのも表現の一種ですが、芸術とはちょっと違いそうですよね)。私は今のところ、次の2点を満たす表現が芸術的表現だと考えています。

  1. それまで誰も思いつかなかったような、まったく新しい表現であること。
  2. 時代や地域を問わず、美しさを感じさせる表現であること。

たったこれだけです。この定義にしたがうと、極端なたとえですが、ド素人が描いた絵が芸術作品になる可能性もゼロではありません(そういう可能性は限りなく低いでしょうけど)。馬鹿げた定義だとお思いになったかもしれませんが、そういう可能性があってこそ芸術だ、と私は思います。なぜなら芸術では表現手段は「何でもあり」ですから。伝統芸能のように代々受け継がれてきた技術を守り、それを極めた人しか認められないというものではないはずです。…まあ、デジタルが発達した現代でも未だに「芸術的な絵=油絵」みたいなイメージが強い気がしますが。それはたぶん、今有名な作品が1世紀くらい前のもので、その頃は油絵が表現手段のメインだったから、とかそういう理由があるせいだと思います。私としては「PCで芸術作品描いたよ」とか堂々と言える風潮になれば面白そうだと思うのですが、世の中はなぜか新しいツールには懐疑的です(デジタルではオタクが軽めのイラスト描くくらいだろ、くらいの認識)。そこは「新しい道具で新しい表現開拓しようぜ!」くらいのノリでも良さそうな気がします。

2.美術との違い

さて、絵でいうところの芸術と美術はどう違うのでしょうか。美術は読んで字のごとく美しさを求める、すなわち前述の2番目の条件を満たすものです。表現の新旧は問わない(というか、ほぼ伝統的な表現を使う)のが芸術との大きな違いでしょう。美術では対象を紙の上に的確に表現することが求められるので、人物画なら見た人全員が「あ、これは人が描いてあるんだな」というのがちゃんとわかる必要があります。

このように美術的な表現は客観性が高いため、学校や絵画教室で技術的な部分を分かりやすく教えてもらうことができます。一方、芸術的な表現は主観的ですので人に教えるのが非常に難しいですし、見た人が「うーん、ワケ分からん」となりやすいのです。

3.デザインとの違い

以前「アートは問題提起、デザインは問題解決」というようなことを聞いて妙に納得したことがあります。つまり、芸術が「こんな表現もアリでしょ?」と問いかけるモノであるのに対して、デザインとは「(広い意味では)こういう課題をこうやって解決しました」という解答を出すものだというわけです。モンスターを考える場合では「こういうモンスターにしたい(=課題)、だからこういう組み合わせにしようかな(=解決策)」ということを考えるので、なるほど確かにデザインの一種なんだなと言えそうです。もっとも、モンスターデザインは非常に自由度が高い分野ですから、デザインという枠組みをはみ出して芸術になる可能性もあるかもしれません。