「段ボールキャンバス」の作り方

つい最近、ここ2年くらい描いていなかった油絵を再開しました。以前は描き方がよくわからなくて今ひとつ良さがわかりませんでしたが、今度はコツがつかめてきたおかげか塗り重ねる面白さを実感しつつあります。やはりアナログの良さは「塗っている実感」があることで、これはデジタルには代えがたい感触です。やっぱり油絵は楽しい。

…しかしながら、本格的に描き始めようとすると気になるのがコスト面です。油絵は画材の中ではお金がかかります。特にキャンバス。既成のキャンバスは小さいのでも700円以上するので、貧乏人の私にとっては「練習にそんなに出してられるか!」と思わずにはいられません。

ならば自分でキャンバスを作ればいいじゃないか。しかもできるだけ安く。そこで私が無い知恵を絞った結果、キャンバスの代替品として着目したのはAmazonのアレでした。以下、その結論に至るまでの経緯と作り方について書きます。

1.結論:段ボールは万能である

まずはキャンバスの代わりとなる素材の選定です。ある程度の強度をもち、最初からほどよいサイズがあるか加工性しやすいもの…。そういった最低限の性能もち、かつギリギリまでコストを抑えられそうなものはないか?なるほどベニヤ板もコスパ的には十分ですが、やはり一枚180円くらいはします。コピー用紙くらいの勢いで描きなぐってもいいレベルのものがあればいいが。…おや、Amazonから荷物が来たようだ。中身はベクシンスキーの画集に違いない。


と、Amazonの箱を開けて私は気づきました。たまに箱の底にくっついている段ボール板。これこそタダ同然で手に入り、ある程度の強度を持ち、サイズもちょうどいいのではないか…?決まりだ。キャンバスの代わりに「Amazonの箱にたまに入っている段ボール板」を使おうではないか。

こうして素材は決まりました。…まあ、これだとお金を出してこその気品は欠片もないですけど、別にいいじゃないですか。練習用なんだから。とにかく描かなきゃ上達しないぜ!この際「描ければ何でもいい」と考えるのです。

2.問題点:油の浸透をどう防ぐか

で、素材の選定はできましたが問題はここからです。当たり前ですが油絵具は油分がほとんどですので、そのまま段ボールに塗ると段ボールが油まみれになってダメになります。また、油が吸収されてしまうということは油絵具の伸びも悪くなり、結果として全然かけないということになりかねません。このままでは使い物になりませんね。

…ではなぜ、市販のキャンバスの上には絵の具を乗せられるのか?それはあらかじめ油を通さない下地を塗ってあるからです。すなわち、これと同じ役割の塗料を段ボールに塗ればよろしい。そこで使うのが「ジェッソ」という下地材です。


ジェッソとは吸水性のある素材に適したアクリルの地塗り材で、これを塗ることで木やコンクリートなどに油絵や水彩を描けるようになります。気になる値段はといえば、ジェッソはそれほど高価ではなく300gでだいたい1300円くらいです(※写真のリキテックスのジェッソの場合)。一度に塗る量などたかが知れているので、段ボール1枚当たり2回塗り重ねるとしても相当持つでしょう。段ボールとの組み合わせならばコストは限りなくゼロに等しい。…これで役者はそろいました。あとは作るだけです。

3.作り方の手順まとめ


まず、段ボール板にジェッソを均等に塗ります。後でもう一度塗り重ねるので、段ボールが透けて見えても問題ありません。

塗り終わったら乾燥させます。1時間ほどで触れるくらいになりますが、念のため6時間くらいかけて完全乾燥させるのが良いでしょう。

乾いたらもう一度塗り重ねます。もうひと手間かけるのは油が染みないようにするためと、段ボールの茶色っぽさをなくすという2つの理由からです。


あとは乾燥させて完成です。これで思う存分油絵の練習ができますね!