「モンスターファーム2」と共に歩んだ、私のモンスターデザイン人生

モンスターファーム2との出会い

そのゲームと出会ったのは小学校1、2年のころの誕生日でしょうか。当時はデ○モンが仲間内で流行っていたので、最初はそっちのほうをプレゼントとして買ってもらうつもりでした。近所の兄ちゃん曰く「デ○モンはコンビニで買った」とのことだったので、父親に車を出してもらって買いに行きました(その日はすごい雨だったのを覚えています)。

店に入ると、レジの向こう側にいくつかゲームが並んでいました。が、よくよく見渡してもデ○モンが見当たりません。店員さんに聞いてもないとのことで、子供ながらワクワクしていたのですがガッカリしてしまいました。

そんな様子を見かねたのでしょうか、そのとき父が運命的な一言を言ったのです。「モンスターファームっていうのならあるけど」。かくして私は既知のデ○モンではなく、未知のモンスター育成ゲームに出会ったのでした。

ゲームを通じてモンスターに興味を持つ

というわけで不本意ながらも別のゲームを買うことになってしまったのですが、いざやってみると、これがとても面白いということがすぐに分かりました。というのはまず個性的なデザインのモンスターがカッコいいのからキモいのまでいて(※キモいほうが多い)、しかもそういう奴らがまるで生きているかのような仕草を見せるのです。で育成ゲームなのでモンスターを育てていくのですが、その他大勢のゲームとの違いは無理をさせたり寿命が来たモンスターは死にます。さらにエサの好き嫌いとか、良い子か不良かの概念などもあって、ああ俺はこいつを「育成」しているんだ、というリアリティがあるのが楽しかったのです。

以上のような特徴があるゲームなので、最初はいうことを聞かなかったモンスターとだんだん絆を深めていき、そのモンスターと共に出場した大会で手に汗握る戦いを体感する…というような胸熱な場面が何度もあって病みつきになりました。

しかしこのゲーム、シリーズ中でも最高難度であり特殊な育て方(油草育成とか)を知らないとクリアは難しいと評判です。実際、モンスターがすぐ死ぬわ敵は強いわ等々、攻略法など何も知らない子供には全くクリアできませんでした。

にもかかわらずなぜそんなに夢中になれたのかを考えてみると、クリアする(=最上位の大会で優勝する)というよりは「個性的なモンスターを育てること」が面白かったのです。そしてまさにこの部分こそ、私がモンスターに興味を持つきっかけになったのかなと思います。もしこのゲームが見てくれの良いモンスターだけが出るゲームだったり、単に勝ち負けだけが楽しいゲームだったりしたら今頃はこんなサイトをやっていなかったでしょう。それを考えると、やはりモンスターファーム2との出会いは運命的だったといえるのかもしれません。

wasa6、モンスターを描くようになる

さて、そんなこんなでモンスターファームばかりやっていたい気分でしたが、やりすぎると親がうるさいので余った時間はだいたい絵を描いていました。

両親曰く「1歳のときから鉛筆を握っていた」とのことですから、おそらくゲームにハマる前から日常的に絵を描いていたのでしょう。今となってはそれ以前に何を描いたのかは全然覚えていませんが、モンスターファームをやっていた時期に描いていたものははっきり覚えています。もちろんそれはモンスターです。

当時はマンガというか絵本?のようなストーリーのある絵を描いていて、なぜか「たま○っち」がブリーダー役で、育てたモンスターで宝石を奪いに来る悪いモンスターをやっつけるという内容でした。モンスターのデザインはやはりゲームに登場するキャラに似ていましたが、基本的には何かしらのオリジナリティを付け加えたものでした(まんまパクるのは嫌だ、と当時からひねくれていた)。真似と改造をしているうちにだんだんコツが掴めてきて、気が付けば完全オリジナルのモンスターもたまに描くようになっていました。今考えると、これがかなり後に発見することになる「モンスターデザイン」との出会いだったのかなと思います。

モンスターファームとの別れ、そして再会

さてしばらくして、テレビのCMでモンスターファームのPS2版が出ることを知りました。が、なんか2までの強烈さがなくなったグラフィックにがっかりしましたし、うちには初代PSしかなかったので「まあいっか」という感じでした。それ以降だと高学年の時に出た「モンスターファームアドバンス2」というのをやった程度ですが、楽しいけどマイルドになりすぎた感じがして、なんとなく「今後は2を超えるのは出ないだろうな」ということを悟ってしまいました(ちなみに、私が好きになったシリーズ物は例外なく凋落するというジンクスがあります。ゾイドとかね)。それとともに私の関心は絵から離れて行って、だんだんパソコンに興味がシフトしていきました(これが今のゲーム制作に繋がってくるのですが)。

さて、時は流れて大学2年の夏休み、実家の整理をしていたらモンスターファーム2のCDが出てきました。幸いプレステも動く状態でそのままだったので、懐かしさのあまり思わずプレイしてしまいました。やはり昔熱中したゲームというのは時代が変わっても楽しめましたし、しかも今度は攻略法がわかっていたので無事クリアすることができました。初の殿堂入りを賭けた私のウッキーが、命中率33%の超必殺技でモストを一撃必殺した瞬間はまさに感無量、思わず視界がぼやけてしまったほどです。

発売から十数年が経った今の基準で言えば、グラフィックは粗いし変なところで運が絡むのがかったるいゲームだなと思いましたが、モンスター達の個性豊かで生き生きとしたイメージが全く色あせないという点には脱帽せざるを得ませんでした。まさにこの部分こそが自分の人生に強く影響したんだ、ということをこのとき改めて感じました。

モンスターファームが私に教えてくれたこと

このゲームが私にとって特別なのは、単にモンスターに興味を持つきかっけになったというだけでなく、「モンスターのデザインは個性的なものであってもよい、すなわち自由である」ということを気づかせてくれたからです。それまで「写実的でなければ上手くない」と思っていた私にとって、「自由でよい」ということは非常に衝撃的でした。

もっとも、モンスターのデザインという点ではデ○モンもなかなか強烈ではありますが、やはり育成要素が絡むと「初見:キモい→育成後:キモかわいい」というような価値観の変化が出てきたりしましたので、初見の印象だけが残るゲームではキモいデザインもアリだなとは思わなかったでしょう。

モンスターデザインと私

かくしてモンスターデザインは私の血肉となり、生きていくうえでなくてはならないものとなったのです…と言いたいところですが、別にそんなことはありませんでした(だって、やらないときは全然やりませんし)。私にとってはモンスターデザインはあくまで趣味であり、これからも趣味であり続けるでしょう。なぜなら毎日何時間もやれるほど好きではないし、人から指図されて描く気がまったくしないからです(モンスターデザイン人生と銘打っておいてそんなことを言うのはアレですが、凡人とはそんなものです)。

まあ、一時期は「俺がこの分野を開拓するんだ、いやしなければならない」という変な義務感を抱いていたこともありましたが、就職して仕事を任されるようになった今ではそんなことを考えている余裕もなくなりました。今はただ、色々なモンスターを描くことを純粋に楽しめればそれでいいかな、と思うだけですし、「好きなこと」というのは本来そういうものだと思ったりもします。

ともかく私が幸運だったのは、世の中のほとんどの人がモンスターデザインの楽しさや自由さに気づかないまま過ごす中、人生の早い段階でそれらのことに気づけたことです。そしてそれをきっかけに、自分で考えたアイデアを自分で形する、という創作において最もやりがいのあることに楽しみを見いだせるようになったことには感謝しなければなりません(これさえあれば死ぬまで楽しめるのですから)。

また時代としてもインターネット全盛期であり、しかもウェブに関する知識も身につきやすい環境で育ったので、作品を発表したり情報を発信したりしやすかったのも僥倖だったといえるでしょう。自分で描いて終わりではなく、誰かに見てもらえるかもしれないという環境があるだけでモチベーションはずいぶん変わるものです。ネットがなかったとしてもやはり今の自分はないのかもしれません。

モンスターデザインの今後の展望

というわけでいろいろ書いてきましたが、モンスターデザインの今後の展望としては、まずデザインをイラストとかゲームとかで文字通り「生かす」ような形にしていきたいです(なんせデザイン単体では役に立ちませんし)。さっき、私は言うほどモンスターデザインに固執しているわけではないということをいいましたが、その理由はあくまでもモンスターデザインは私のアイデアを表現する方法の一つにすぎないからです。私の目的はアイデアを形にすることで、それを実現する方法が多いほど楽しいし良い作品が生まれる可能性も高いと考えています。今はほかの表現方法が未熟で、考えたモンスターを十分生かせない状態ですが、5年後くらいにはまともな作品を生み出せるようになりたいです。

あとはそれに付随して、自分にとってのモンスターファーム2がそうであったように自分の作品を通してほかの人にそこそこ影響を与えられるくらいになれればと思います。前からそう思っているのでモン描くを作ってみましたが、正直なところあれだけでは全然不十分です(だってカタルシスがないですし、そもそも影響を与えられるのは最初から描きたいと思っている人だけなので)。もっとこう、客観的に見てもグッとくるような作品を作れるようになれればいいですね。

…といっても、これらは「普通にやってたら自然にこうなってた、とかだったらいいな」程度の願望なので、まずはやりたいことをやって持ち味を研ぎ澄ますことに集中したいと思います。話は飛びますが楽しい人生を送れるかどうかは、やったことの結果というよりもむしろその過程を楽しめるかどうかがポイントになる気がします。趣味なんだからやりたかったらやる、やりたくなかったらやらない。別にこれでいいんじゃないでしょうか。